完全予報(PP)手法

観測値を用いる方法は、観測を行う特定の場所にダウンスケーリングします。PP手法には多くの利点があります。まず第一に、単純で解釈可能であり、複雑なアルゴリズムに比べて必要なトレーニング データが少なくなります。 そのシンプルさと解釈可能性により、意思決定のための根拠を明確に理解でき、様々なエンドユーザーの要望に合わせて簡単に設計できます。 満足のいくパフォーマンスを得るのに、複雑なアルゴリズム (たとえば、CNN等の極めて高度なアルゴリズム) が必ずしも必要というわけではありません。 場合によっては、単純なダウンスケーリング アルゴリズムの方が学習の「分布外」を推定するパフォーマンスが向上することがよくあります。 第二に、空間推移性(spatial transitivity)が可能になります。 ある地点で開発されたアルゴリズムを、ラベル (予測値) が利用できない別の地点に適用できるようになります。 一方で、広範囲にこの手法を適用する場合に、力学的ダウンスケーリングよりもはるかに効率的ではあるものの、計算コストが高くなる可能性があります。 また、説明変数の選択によって、将来の気候予測、特に気候変動シグナルを大きく変える可能性があります。

コメント:PP手法では、例えば降水を推定する場合、一般的には降水に関係がありそうな変数を説明変数として選択しますが、それは必ずしもダウンスケーリングに最適な変数とは限りません。対象地点と関係が大きい局所的な影響を反映した変数を採用したほうがパフォーマンスが良くなる可能性があります。多くの変数からそれを見つけ出すのは極めて難しいかもしれません。深層学習を使う場合でも、計算量が膨大になることを避けるために、入力データをある程度人が判断して選択する必要があります。機械学習技術の発展により人への依存度が小さくなると想定されますが、現状では全てを機械学習に依存できないため、人の介入がパフォーマンス向上の妨げになるかもしれません。

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