畳み込みニューラルネットワーク (CNNs)

深層学習技術により、単一のアルゴリズムを学習して、対象領域全体をシームレスにダウンスケールができるようになりました。従来の手法では、「最適」なダウンスケーリングを実施できるように、特徴ベクトルを手動で選択する必要がありました。しかし、畳み込みニューラル ネットワーク (CNN)では、どの情報を組み込むのかを手動で決定する必要がありません。 Rampal et al. (2024)のFig.4bで示すように、CNN 出力は、降雨の確率 (p)、ガンマ分布からの形状 (α) およびスケール (β) パラメーターの 3 つの層で構成されます。各出力層のニューロンの数は、その上のグリッド セルの数と等しくなります(本論では。これらのパラメーターは、ニュージーランド上空の5kmの各格子における1日の累積降雨量を予測するために使用されます)。

コメント:本論でも述べられているように、サポートベクターマシンやランダムフォレスト等と異なり、深層学習(CNN)では特徴ベクトル(説明変数)を設定する必要はなく、画像から自動的に特徴を取り出し、各グリットポイント毎に推定を行うことが可能になります。一般的に計算量が多くなりますが、より高精度での推定が期待されます。ただし、Fig.4bに示されているように元の画像の2次元データを最終的に1次元データにして推定を行うため、物体の形状などの位置情報が失われます。各グリッド間の関係性が失われるため、例えば前線帯などの空間構造が不自然になることが懸念されます。空間構造を正確に推定するには、セグメンテーションなどの手法が必要になります。

Rampal, Neelesh, et al. “Enhancing Regional Climate Downscaling Through Advances in Machine Learning.” Artificial Intelligence for the Earth Systems (2024).

カテゴリー: 機械学習, 気候変動, 高解像度 パーマリンク

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